June 26,1987
テレサ・ラッセルも知っている人は少ないでしょう。映画出演もそれほど多くないみたい。特に90年代に入ってからの日本公開作品は数えるほどです。
僕が最初に見たのは、『マリリンとアインシュタイン』(1985)。深夜テレビかもしくはヴィデオだと思うのだけれど、どうも記憶が定かではない。映画館でないことだけは確かだ。僕はマリリン・モンローが大のお気に入りなので、ついつい題名に誘われて見てしまったのだが、意外と面白かったような気がする。テレサ・ラッセル扮するマリリン・モンローがなかなか似ていて、いい感じを出していた。ポートレイトを見る限りでは、マリリンとは似ても似つかぬ顔立ちなのだが、映画ではそっくりでした。う〜ん、不思議。
話はまた横道にそれますが、マリリン・モンローみたいに華のある女優はおそらくもう2度と現れないでしょうね。僕は彼女の主要な映画はだいたい見たけれど、いちばん好きなのが『紳士は金髪がお好き』である。あの頃の、ちょっとおつむの弱そうで無邪気な女性像を演じた彼女を、僕はこよなく愛している。生きていたらきっと返事がもらえなくても毎月ファン・レターを出し続けたと思う。『七年目の浮気』は有名だが、あれは(もちろん少なくとも僕には)退屈だった。演技に開眼したといわれている『バス停留所』も悪くはなかったが、初期の頃の無垢な明るさが失われていたのが残念。映画じたいはなかなか良かったけれど。
結局彼女は36歳で死んだ。昔僕はマリリンに関する書物を買い漁ったものだが、その中の一冊にマリリンのデス・マスクの写真──顔中に黒っぽい斑点が出ていて、もはや生前の面影はどこにもなかった──が載っていて、それを見たときはさすがにショックだった。死因には様々な説があり、殺されたのではないかという話もあるが、〈睡眠薬自殺〉というのが公式の見解になっている。セックス・シンボルだのアメリカの恋人だのと、彼女じしん望みもしない色々なものを押し付けられた結果、こういうことになってしまったのではないか、と僕は推測している。彼女はあまりにもナイーヴに過ぎたのだ。そう思う。
マリリンの話はここまで。生きている人間の話に戻ろう。デブラ・ウィンガーと共演した『ブラック・ウィドー』(1986)は、映画雑誌にも取り上げられていたので、ちゃんと映画館まで観に行った。これはまあ、サスペンスものと分類したらいいのだろうか、映画じたいはなかなか面白かった。ヴィデオを借りて見ても損はないと思う。僕はデブラ・ウィンガーは『愛と青春の旅立ち』以来のファンだったし、テレサ・ラッセルも気になっていたし……というわけで映画の出来もあって満足して観ていた。
それ以後は彼女の映画を観る機会がなくなってしまった。日本未公開の作品もあるし、日本公開の作品でも彼女の扱いは小さい、というのが現状のようだ。ヴィデオで『マリリンとアインシュタイン』をもう1度チェックしてみようか、と思っている次第。
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先日、ヴィデオで『ワイルドシングス』(1998)を借りて見たら、なんとテレサ・ラッセルが出演しているじゃないですか!! サンドラという役名で、マット・ディロンにレイプされたと言い張るケリーという女の子の母親を演じていました。髪は短くなり、ややふくよかになったような気もするが、演技力・美貌ともにまだまだ健在のところを見せられ、嬉しくなってしまいました。「80年代の女優」で終わったわけではなかったのですね。今後も頑張って欲しいです。